1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました メーター検針員テゲテゲ漫画日記
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地の塩の記録
素描風の絵は原作の雰囲気をうまく再現できていると思いました
本作の原作者は、小説家を目指すかたわら、生活のためにガスメータの点検員を始めたものの、その仕事は「個人事業主」という名の日雇いバイトでしかありません。
ケガや失業に対する保険もなく、必要経費も自己負担、1件40円の歩合制です。
件数を少しでも増やすために駆け回り、台風の日にも休まず、理解のない住人に罵倒され、上司からは理不尽に叱責され、都合のいいように使いまわされ、命の危険も感じるような危機も経験します。
そこまでして10年間も勤めたのに、最後にはリストラが得意な上司に目をつけられて半ば強制的に辞めさせられてしまいます。
あまりにも悲しい結末で、そしてどこでも同じようなことは起きているのだろうと想像できます。
それにしても原作者の献身的な働きぶりには目を見張るものがあります。
生きるために仕方なくしている仕事なのに、見返りがあまりにも少ない仕事なのに、自分自身も誇りをもっているとは言えない仕事なのに、それでも何故か原作者は手を抜くことなく懸命に働きます。
それを私は不思議に思うと同時に、心から尊敬しました。
私たちの生活は、このような地の塩とも呼ぶべき人々によって支えられているのだと思いました。
なお、皮肉なことに私はスマートメーター用のマイコン開発をしていた時期がありました。
私の仕事が原作者の仕事を奪うことにつながっていたと思うと、複雑な気分です。
それでも、私は当時の自分の仕事を誇りに思う気持ちに変わりはありません。
誇りに思う自分の仕事が、尊敬すべき他人の仕事を奪う。世の中はままならないものです。
立木茂さん-2024-01-05-本・コミック(通販)
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