活動の場をドイツから英国に移したディー・クルップスが、デッド・オア・アライヴなどを手掛けた敏腕プロデューサー、ゼウス・B・ヘルドを迎えて1985年に渡英第1弾としてレコーディングした『死亡遊戯(Entering The Arena)』だったが、諸般の事情からミュージシャンの意向が十分に反映されない6曲入りミニLPという形で発売され、ディー・クルップス自身の活動に終止符を打つことになった悲運の作品だった。そして『死亡遊戯』の発表から39年、ミュージシャン自らの手により本来のアルバム・コンセプトのもとフル・アルバムとして再編成したのが本作『真・死亡遊戯』である。当時レコーディングされながら長いあいだお蔵入りとなっていた完全未発表曲5曲や、当時計画されながら実現に至らなかった12インチ用楽曲をふくめ、オリジナルのミニLPとはすべて異なる12曲入り。まさしくディー・クルップスというべきソリッドで、よりパワフルに仕上がったこのアルバムは、1985年当時とまったく異なった表情や意匠が再発見できる、完成度の高い作品である。 (C)RS