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ネタバレカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した秀作
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シネマの風さん-2023-05-09-DVD・Blu-ray(通販)
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ネタバレカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した秀作
「外国の鎖に縛られることは---つらい屈辱」という歌詞が、映画の多くを物語っている。
1920年代、英国統治下のアイルランド。独自のスポーツ、ハーリングさえ咎められる時代。
緑の丘が広がる静かな土地で、独立を求める男たちは、ハーリングのスティックで戦う訓練をしている。
医者の道を捨てて戦いに加わったデミアン(キリアン・マーフィー)もその一人。
英国の武装警察隊の暴力で、普通の暮らしをしていたデミアンが、戦う男に変わっていく過程が、冷徹な視線で抑制的に描かれる。
停戦の後、アイルランドは、英連邦の自治領となったが、デミアンはともに独立を求め戦ってきた兄(ポードリック・ディレーニー)とも、袂を分かつのだった-------。
社会派で知られるケン・ローチ監督は、拷問で爪を剥がされる男の痛み、家を焼かれ髪を短く切られる女の悲しみを、観る者にそのまま体感させる。
アイルランドの歴史を通して綴られるのは、戦う相手が別にいたはずなのに、いつしか同郷の者同士が争い始めるという万国共通の構図だ。
アイルランドの歴史をあまり知らないで観ていたが、みるみるうちに、その普遍性に引き込まれてしまった。
老婦人が歌う「麦の穂をゆらす風」が、実に印象的だ。
どんな目に遭っても、自分の土地から離れようとしない老婦人の強さが、かすかな希望を感じさせてくれる。
世界のどこかで繰り返されてきた悲劇と、普通の人々の痛みを思い起こさせて、この映画は、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した。
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