アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』

ヒロインの性格が腐りきっており、見ていて胸糞が悪くなる作品だ。拷問のような思えて半分で観るのを辞めた。絵は綺麗で素晴らしいがこんな糞ヒロインを描くだけ才能の浪費に思える。

出会いから終わりまで飽きることのない青春ラブストーリー。今年最後のラブストーリーを

公開時、タイトルは聞いたことがありましたがきっかけがなくて、これまで見ていなかったのですが、先日偶然ネットで見ることができました。これは意外な拾い物、みたいな作品でした。
主人公のわがままな言動と振る舞いに勝手に腹を立てて見るのを辞めた方がいるようですが、途中でやめるなんてもったいない。ヒロインが最後まで性格の悪いダメ娘なわけがないでしょう。彼女に寄り添う青年も、登場時のままの好青年ではありません。とんでもないことが起こり、90分弱の映画の中で大きく展開します。

自分がまず驚いたのは、原作者が田辺聖子であること。田辺聖子と言えば、昭和の時代、自分と同じ時代に生きたベストセラー作家です。宮部みゆきが出てくる前の世代ですね。自分は流行の小説とか読まないので、名前だけはよく知っていますが、どういう作品を書いていたのかまではよく知らなかったのです。まさかこんなみずみずしい作品を書いていたとは知りませんでした。それが驚き。

映画についてあえて言えば、多少強引な点や予定調和的な点もあります。もう10分ほど長く余裕をもって、登場人物の心理描写に時間をかけてほしかった点もありますが、総じてよくできた映画だと思います。そこそこ感動できるいい映画です。
やはり本職の小説家の作品は、昨今の小説ごっこの安物ラノベ作品などとはレベルが違います。設定も人物描写もしっかり描かれています。さすが小説原作です。

作画、キャラデザ、演出、ＢＧＭ等どれもレベルが高く、未見の方は絶対見て損のないアニメ映画です。
ただ最後に劇中ラストに使用されている男性ＶＯＣＡＬのＪ-ＰＯＰ曲は若者向けで安っぽく、個人的になじめませんでした。これだけが減点です。