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redocatさん

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  • 春に散る

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    負け犬のオッサンたち

    横浜流星メインのボクシング映画というよりは、
    負け犬オッサン三人組達のリベンジものみたいな作品で、
    特に中心となる佐藤浩市のパートナー役を演じる片岡鶴太郎と、
    途中で袂を分かつ哀川翔が好い味を出している。
    ロッキーシリーズのスピンオフである「クリード」シリーズと似たような内容だけれど、
    人生をリベンジするというテーマは、
    ボクシング映画と親和性が高いのでしょうね。



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  • 春画先生

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    安達祐実のドS女王様プレイ

    クライマックスは謎の西洋館で繰り広げられる、
    安達祐実と内野聖陽によるド変態SMショー。
    ボンテージ衣装の安達祐実がピンヒール履いて、
    ワンワンスタイルの内野聖陽をムチでビシッバシッ。
    喜ぶド?の内野聖陽。
    次々と大写しになる無修正春画も含めてインパクト絶大のコメディです。


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  • 山びこ学校

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    高度経済成長期前の日本

    1951年(昭和26年)に刊行された学級文集を元に、
    それを当時のイタリアンネオレアリズモの影響を受けながら、
    ドキュメンタリータッチで描いた作品。
    家があまりにも貧しくて子供が働かないと食べていけないので学校に行きたいけど行けず、
    お嫁に来た女性も馬車馬のように働かされ挙句の果てには病でバタバタ倒れ、
    当時はまだ公娼制度が残っていた時代なので人買いが出没して人身売買が行われ、
    そんな過酷な状況下でも子供たちは笑顔と元気を失わないよ、
    といった笑うに笑えない文集の世界が再現されていく。
    劇中の先生同士の懇談会シーンでも取り上げられるが、
    戦時中までの学校教育はお国の為に滅私奉公勤労奉仕で命を捨てろしかなく、
    明治期以降の近代化とは名ばかりで江戸期までの封建制度と基本的なスタンスに変化はない。
    ただ権力構造が徳川将軍家から薩長土肥の西国大名へと変わっただけ。
    日本国憲法が施行されるのは1947年からで、
    それまでは国民主権でなく天皇主権で人権意識が低い社会。
    まだその意識の呪縛から解けていない地方の山村は、
    今のアジアアフリカ中南米等での新興国における現状とあまり大差ない。
    昭和30年代の高度経済成長期前の日本がどんな様相だったかを知る一つのサンプル。








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  • 渡世人列伝

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    マタンゴ水野久美出演の東映任侠映画

    東映任侠映画ブームの頃に正月盆興行で製作された一連の列伝ものの一編で、
    鶴田浩二メインの任侠オールスターキャストやくざ映画。
    鶴田に健さんに藤純子に若山の親分と池部良も出演していて、
    その池部の妻役が東宝の水野久美。
    どうしても妖星ゴラスにフランケンにサンダとガイラにマタンゴの東宝特撮ものの印象が強く、
    しかも舞台が東北の鉱山の中で筑豊炭鉱が舞台だったラドンを思わせるものがあり、
    途中から怪獣でも出てくるんじゃないかと思わず期待。
    最後は浅草に場面が変わって鶴田健さんの道行でいつも通り。
    ちょっと異色のキャスティング。


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  • 浮草日記

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    名優達の無名時代

    1955年(昭和30年)に新劇の俳優座が製作した映画なので、
    ヒロイン役の津島恵子と大映から借りて来た菅原謙二以外は俳優座の面々で構成。
    当時俳優座養成所が設立してほどない頃なので、
    養成所出身の若い俳優が雁首揃えて大挙出演。
    第一期生組の岩崎加根子
    第二期生組の高橋昌也・小沢昭一・井上昭文
    第三期生組の江幡高志
    第四期生組の仲代達矢・中谷一郎
    ここに重鎮だった東野英治郎・小沢栄太郎・東山千栄子・岸輝子・松本克平らが脇を固める布陣。
    仲代達矢と小沢昭一が若い組合員役で共演しているのが面白く、
    江幡高志はまだ毛髪がフサフサしている。悪役でもないし。
    津島恵子が威勢の良い伝法なお姐ちゃん役なのが珍しく、
    菅原謙二とのお互いに好きなのに喧嘩ばかりしているラブコメ的な面もある。
    貧乏旅芸人一座の愉快で楽しいコメディロードムービーの傑作。




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  • 人間の壁

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    石川達三+山本薩夫コンビ第一弾

    山本薩夫監督作品と言えば、
    「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」と、
    山崎豊子原作の社会派大作が特に知られていますが、
    実はその前に石川達三作品も何作が手掛けており、
    この「人間の壁」はその最初の作品。
    面白いのはいずれも政治絡みで、
    それも自民党糾弾のお話ばかり。
    次の「傷だらけの山河」は西武グループ総帥で自民党の政治家でもあり衆議院議長も務めた堤康次郎の愛人騒動を、
    その次の「金環蝕」は池田政権の汚職問題だった九頭竜ダム事件を取り上げていて、
    この「人間の壁」では佐賀で起きた岸政権当時の佐教組事件を題材に、
    この映画製作当時の岸政権を非難罵倒している。
    ド左翼の作家とド左翼の監督のコンビなので、
    日教組を称えるのはどうかと思うが、
    戦後の民主主義は間違いで戦前の教育方針に修正しようとしていた岸政権は、
    孫に受け継がれているのだなと改めて納得。

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  • アカデミー外国映画作品賞ノミネート

    木下惠介監督は同期デューでライバルだった黒澤明監督に比べ、
    海外での映画祭等の受賞が無い為に評価があまり高くないとされていますが、
    例えば1958年のヴェネツィア国際映画祭に出品された「楢山節考」は、
    金獅子賞が現地でも本命視された作品であり(受賞したのは稲垣浩監督「無法松の一生」)、
    この「永遠の人」も1962年度のアカデミー外国映画作品賞最終ノミネート5作品に選ばれるなど、
    決して国際的な評価の低い監督ではありません。
    特にこの作品はギリシャ悲劇「エレクトラ」を下敷きにしたような壮烈な復讐劇で、
    レイプされて無理やり妻にさせられたヒロインが永年にわたる夫への復讐を心に秘める女の情念を、
    高峰秀子が冷たい鬼火を目に灯らせる迫力の演技を見せ、
    夫役の仲代達矢もコンプレックスからくるひねくれ根性の悪党ぶりを見せて、
    その演技派同士のぶつかり合いも見ものです。
    「日本の悲劇」や「女の園」と同様の社会派リアリストとしての木下監督作品。





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  • 今年の恋

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    スクリューボール・コメディまたは変人喜劇

    非常にテンポが速くスピーディーな会話が卓球の如く打ち返されるコメディ映画で、
    軽いタッチの胃に全くもたれないカラっと揚がった出来栄え。
    いわゆる変人喜劇で、
    落語家の三遊亭圓游やコメディアンの若水ヤエ子が登場し、
    浪花千栄子や三木のり平も顔を見せて終始明るく進む、
    フランク・キャプラ監督作品のようなスクリューボール・コメディ。
    岩下志麻の父親である野々村潔の息子役が当時18歳だった田村正和。
    若い!
    その野々村潔の愛人役が高森和子で、
    珍しく老け役でない。で凄い美人。





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  • 日本辺境紀行

    内容は数十年にわたる夫婦愛のお話で、
    ジョン・フォードの「長い灰色の線」とか、
    エリア・カザンの「ブルックリン横丁」とか、
    ウィリアム・ワイラーの「ミニヴァー夫人」とか、
    マーヴィン・ルロイの「キューリー夫人」とか、
    この作品が製作されるまでに腐るほど作られた手垢まみれのネタなので今更感であるが、
    特筆すべき点は日本各地のとんでもない僻地ばかりでロケを行っており、
    全国北は北海道から南は長崎の五島列島まで15か所の灯台が紹介され、
    転任になると日本地図上をカメラが移動していくのが面白い。
    国内辺境を行くロードムービー。




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  • 田園風景絵画集

    原作の伊藤左千夫「野菊の墓」とは別物と捉えたほうがよく、
    舞台が千葉の流山・松戸から信州へと変わり、
    笠智衆演じる73歳の老人が青年期まで過ごした故郷を再訪し、
    昔日の想い出を音楽の調べに乗せて短歌をつづる準音楽劇的な作品で、
    回想シーンは額縁のように円い縁取りが採られて、
    まさに絵画のような美しい幻想的な田園風景が切り取られていく。
    ほろ苦い過去の記憶も思い出の中では美しく昇華されていくということでしょうか。
    英国の作家イーヴリン・ウォーの「ブライズヘッドふたたび」と構成が似ており、
    例えば同国の画家コンスタブルの風景画にやはり同国の作曲家ディーリアスの音楽が背景に流れている、
    みたいな感じでしょうかね。
    移動撮影が少なく定点撮影が多いことから、
    各ワンカットがまさに絵画の世界。





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  • にんじんくらぶ

    主要キャストの岸恵子と久我美子は、
    当時独立プロダクション「にんじんくらぶ」を主宰しており、
    あともう一人の有馬稲子がストーリーとは無関係でゲスト出演している。
    後半に三人一緒で談笑するシーンがあるのは御愛嬌か。
    親子二代に亘る封建的で排他的な家制度による差別が描かれているが、
    理不尽な強権をふるう祖母も実はそのシステムによる犠牲者であることがわかり、
    女性たちに枷を嵌めて思考停止に陥らせまるで家畜か奴隷のように従属させる、
    日本における明治期以降の近代化の負の部分が繰り広げられる。
    信州が舞台なので島崎藤村の「家」の影響もあるのかも。
    木下恵介監督は先に「破戒」も映画化されていますしね。



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  • LGBTQ映画としての木下恵介

    下町で暮らす貧乏長屋のホームドラマは松竹のお家芸だが、
    この作品の主人公は現実的な恋愛経験というものがどこにも一切なく、
    自分の部屋から日々窓の外を双眼鏡で覗いて周囲の人物をピーピングしている夢想少年で、
    ヒッチコックの「裏窓」的な設定にもなっている。
    そして常に友人である裕福な家庭の美少年君とお手手つないで行動しており、
    監督自身の性的嗜好である明らかにBL的な要素が濃い人物として描かれている。
    一方姉の久我美子は自らの美貌を武器にして男を踏み台にし世間をサバイバルしていく、
    野心満々の女性として登場しここにも監督自身の性的嗜好が反映されている。
    いつまでも少年少女の頃の夢や希望だけでは、
    大人になって世知辛い世間の荒波は渡ってはいけないよ、
    自分の置かれた現状を受け入れなさい諦めなさいと、
    人生訓を諭される作品。




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  • LGBTQ映画としての木下恵介

    この映画の配役を見ると主役の高峰秀子以外は、
    主要男優陣は佐田啓二・田村高広・石浜朗・高橋貞二・田浦正巳と若手二枚目俳優で占められており、
    中高年の男優は新派の柳永二郎ぐらいで、
    女優も小林トシコと中川弘子以外は夏川静江等ベテランが多く、
    イケメン祭りみたいな作品になっている。
    高橋貞二を強請る悪党二人組も無駄にイケメンバディで、
    監督の性的嗜好が反映されたキャスティング。
    内容は未亡人のよろめきメロドラマと陳腐な内容なので、
    大規模にロケされた飛騨高山の風情ある格子造りの町家が続く街並みと、
    遥か北アルプスの山嶺を仰ぎ見る自然豊かな情景をバックに、
    まだ俗化される前の静かだった頃の昭和30年当時の、
    美しい小京都の風景をフィルムに焼き付けた点が見どころ。
    タイトルの「遠い雲」もそこに由縁でしょうか。





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  • 夢二

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    太陽を盗んだ男

    主演が沢田研二で共演が長谷川和彦監督となると、
    そう、これはあの「太陽を盗んだ男」の組み合わせ。
    「ツィゴイネルワイゼン」で実質的な主演が藤田敏八監督だったように、
    ここでも映画監督に俳優業をやらせており、
    ‘ゴジラ‘の異名を持つ人物だっただけにこのケダモノのような凶悪犯のキャスティングは絶妙で、
    他の出演者の存在を全部喰っている。
    三部作の中では女優陣が多彩となり艶やかで華やかであり、
    さながらジュリーがジェームス・ボンドとすると女優陣がボンドガールのようにも見え、
    ピーター・グリーナウェイばりの極彩色の映像美と相まって、
    眩い妖しげなイリュージョンに感覚が麻痺する浪漫主義的絵画の世界。





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  • 王手

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    若山富三郎の遺作

    通天閣で伝説の真剣師役で若山富三郎が出演。
    これが生前最後の作品とかで、
    数分だけどとても味のある演技。
    それからストリッパー役の広田玲央奈が素晴らしい肢体を見せつけ、
    ヌトヌトと激しい濡れ場もあり。
    金子信雄や汐路章に梅津栄、
    さらには麿赤児に國村隼と性格俳優が大挙して脇を固めて、
    サム・ペキンパー的な男臭いオッサン向け映画ですわ。


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  • 鳳蘭初出演映画作品

    原作は西原理恵子の地元高知の漁村を舞台にした漫画なので、
    ストーリーとかも全然ないのであまり真剣に見なくても問題なし。
    不可解な人物が次々と登場し、
    特に悪役商会の志賀勝演じる”鉄じい”や、
    こんなド田舎でそんな派手な格好で何処に行くんだという、
    母親役の鳳蘭とかかなり意味不明。
    ラテンアメリカあたりの楽天的で土着性濃厚な、
    シュールでおバカなコメディ映画。




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  • あちらにいる鬼

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    全身小説家

    寺島しのぶ=瀬戸内寂聴
    豊川悦司=井上光晴
    広末涼子=井上光晴夫人
    という配役で、
    特に瀬戸内&井上の関係は、
    原一男監督のドキュメンタリー「全身小説家」で有名。
    これを寺島しのぶと三回目の廣木隆一監督で、
    その廣木監督の「やわらかい生活」で寺島と共演している豊川なので、
    また寺島&豊川の組み合わせは「愛の流刑地」もあるので、
    正直言って今更感は否めない。
    この二人の猛獣達の傍らで心の平静を保つ広末涼子が良い演技で、
    主役は実はこっちなのでは?
    一番怖い役でした。



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  • ジュリーの信州古民家村だより

    作家の水上勉が晩年に過ごした信濃の山村で、
    古民家に暮らしながら自給自足で過ごす日々を、
    淡々としたリズムで描いた作品。
    北イタリアのエルマンノ・オルミ監督の世界に近い味わいで、
    (「木靴の樹」「ポー川のひかり」等)
    日々の糧に賜る食材も臨済宗の修行僧だった経験からか、
    根菜類や菜物に胡麻等で構成される素朴な精進料理。
    山菜摘みや筍掘りに茸狩りと色とりどりの美しい四季の山野を巡り、
    土井善晴氏監修の調理シーンが食彩の豊かさを添える。
    90を超えて現役だった奈良岡朋子が味わい深い名演で、
    これが遺作となった。
    沢田研二と同世代の火野正平との掛け合いも、
    すっとボケたユーモラスなやりとりで微笑ましい。
    そのジュリーも若い頃のセクシーでキラキラした姿から一変して、
    まるで笠智衆のような枯淡とした姿になり、
    年をとっても品があって素晴らしい。





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  • 大阪物語

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    上方歌舞伎の神髄

    主役は市川雷蔵ではなく二代目中村鴈治郎。
    井原西鶴の戯曲を再構成した作品で、
    どこまでも強欲な大阪の商人を、
    どぎついばかりにコミカルに演じ切るその芸風は素晴しく、
    さすが上方歌舞伎界を代表する名優であったことを再認識。
    周囲の共演者も親族で固めていて、
    息子役に甥の林成年、その遊び相手の遊女に娘の中村玉緒。
    やはり遊女役に姪の小野道子、そして娘の婚約者役に勝新太郎。
    この頃の勝新太郎はまだ青白い二枚目で売っていた頃で、
    身代を潰す遊び人の放蕩息子役と地を行く設定。
    中村玉緒もまだ当時17歳の女子高生で初々しくキュート。
    この作品がきっかけでカツシンと付き合いだすとか。
    番頭役が市川雷蔵でやはり上方歌舞伎出身。
    西鶴や近松物は上方歌舞伎の定番なので、
    上方歌舞伎の名優の舞台を鑑賞させていただくような感じでしょうか。






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  • 乱れ雲

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    中川梨絵のデビュー作

    後年日活へ移籍してロマンポルノで活躍することになる、
    中川梨絵のデビュー作で当時の芸名は”中川さかゆ”。
    青森に左遷されちゃう若大将勤務先の女子社員の役で、
    若大将に片思いして言い寄るけど空振り三振するという、
    コメディエンヌ的な役回りなので日活での妖艶さは微塵も無いです。
    前半は東京が舞台ですが中盤からは青森の温泉旅館の話になるので、
    森光子が女将役で登場しなんだか「時間ですよ」みたいな感じも醸し出し、
    ラストは八甲田山系の秘湯「蔦温泉」でロケと、
    「いい旅夢気分」的な雰囲気もないわけではない。
    内容は昭和の頃によく放映していた昼メロみたいな世界なので、
    美男美女による古典的なメロドラマがお好きな方にどうぞ。
    成瀬巳喜男監督の遺作。



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