空挺ドラゴンズ Vol.1

２０２０年の作品にしては、３ＤＣＧの使い方が下手。ほかのアニメ作品なら２Ｄの作画に上手く溶け込ませてそれとわからないようにしているのに、これはＣＧ丸出しの作品。自分はセルアニメの時代からずっとアニメを見てきている世代なので、このような３ＤＣＧアニメはどうしても動きがヌルヌルと不自然で、気持ちが悪い。３ＤＣＧアニメによく見られる、不自然に首をタテに振る無意味な動作などはほとんど見られないが、どうしても絵柄や動きが人工的・無機的なのが気になっていけない。
また、作画が先で後からセリフを入れたのかどうか知らないが、会話が時々、妙に間延びしていたりするのも気になる。
さらにこれは脚本の問題だが、「こんなときにこんな会話はしないだろう」と思ってしまう場面もたびたび。また、銃火器で襲ってくる凶悪な空賊に対して、相手を傷つけもせず甘々な対処で解決するなんて、どう見てもおかしいしありえない。低年齢視聴者に配慮して「殺人」は絶対に無し、という制作上の縛りや方針でもあったのだろうか。
さらに言わせてもらうと、メインヒロインのタキタが全然かわいくない。ただでさえ
３ＤＣＧの作画のせいで妙なキャラデザなのに、顎が変に鋭くとがっていて、とてもかわいいとは思えない。好感度がまったく持てないのだ。”性格”という意味でのキャラクターでなら、そこそこ及第点なのだが。
総じて、作品世界は基本的にアナログ世界で、宮崎駿監督の「～ラピュタ」に似た部分がいくつもあって懐かしさも覚えるのだが、上記のような技術的な点でマイナス要素が多すぎる。意欲作かもしれないが残念ながら好きになれない作品だった。