NHKスペシャル 昭和天皇 二つの「独白録」

確たる証拠もなく、「昭和天皇がおっしゃったかもしれない隠されたお言葉が見つかりました。」みたいなことを云い、何かと思えば「昭和天皇が『軍部の主戦論とそれに付和雷同した国民の所為で戦争が止められなかった』『負けて憲法が改正でき、我が国にとって、返って幸福』と言われたかもしれないお言葉が見つかった」と、昭和天皇や国民を貶める内容で締めくくっている。
製作が1997年とのことで、まだネットも今ほど普及しておらず、本当の日本史が明るみになる前の時代であるため、当時の自分であれば、容易に信じてしまったであろう。事実、番組前半部分においてはおよそ自分が再学習した部分と内容が一致している。
しかし、いつもホント上手だなぁと思うのは、本当の中に嘘を混ぜる塩梅が絶妙であることだ。
実際、国内は朝日新聞などが煽って開戦の世論が高まっていた状態だったたろうし、ルーズベルトは戦争したがってたし、戦争は避けられなかった様子。また、終戦後の改正憲法により、国体に係る大きな変更がなかったことはある意味良かったと言えなくもない。
一方、今となっては昭和天皇がマッカーサーに命懸けで「戦争の一切の責任は私であり、いつでも死刑になる覚悟がある。云々・・・」と国民の衣食住の確保を訴えられたこと、そしてこのことは「マッカーサーとの約束だから」という理由で昭和天皇自ら秘密にされていたことは有名な話である。
その昭和天皇が、軍部や国民に責任転嫁し、軍人だけでなく一般の国民が亡くなった状況の中で無責任に「負けて良かった」かのご発言をされるとは俄かに信じ難い。
軍艦島捏造報道により、韓国側でその間違った映像が使用され続けている事実についても対応しないＮＨＫの姿勢からしても信頼に値しない内容である。
何処の誰からの尺金かは知らないが、国民から高い受信料を徴収し、自分たちはお高い給料をもらっているのだから、せめて日本国民のためになる番組を作ってもらいたいものである。