レビュー情報

放送開始当時中学生でした。
「必殺の前にハングマンっていうすごくおもしろい番組が始まったよ」
と言われ、見始めた時には、ハード路線からすこしコミカル路線になってました。
40年近くたってやっと第一回を見ることができました。
ナレーションンの顔を変えの部分で初回でどう顔が変わるのか気になっていたのですが
、結果
「変わってません」
髪型やひげが変わっただけ。
めちゃくちゃ想像してたのですが、設定に技術が追い付いてない感じ。
キャストがまじめにやればやるほど設定のムリな感じが際立つかんじ。
そこを、すばやくドラマの内容をつかんで軽く明るく演じた植木等・黒沢年男はさすがです。
逆に主役なのにまじめに演じた林隆三がなぜか浮いている感じ。後に降板するのも、番組のばかばかしさに嫌気がさしたのかな。そこがいいんだけど。

2017年AKB総選挙ではまさかの結婚宣言で恋愛禁止の掟をぶち破られましたが、
こちら若大将のヒーローの鉄則が破られております。
タイトルは皮肉にも「お嫁においで」（笑）
若大将シリーズではありませんが、歌ありヨットあり、
イメージは若大将のままで設定だけがちょっと違う姉妹編です。
当時の東宝の看板・若大将シリーズでは鉄のルールがありまして
1・若大将は永遠の大学四年生（フレッシュマン若大将まで続く）
2・若大将は最後には恋にスポーツに勝利する
1この姉妹編では既に社会人になっている
2（ここネタバレ）ヒロインにふられてしまう
加山雄三主演でしかもお嫁においででプロポーズして断られてしまうんです。
まさかのどんでん返し！　当時の観客はどう思ったかなあ。衝撃です。
刑事もので最後まで犯人がわからないって感じでしょうか。ないかそんなドラマ。
なぜそんな結末になったのか。
監督・脚本がいつものど定番ではないのです。
監督は怪獣映画の本多猪四郎。脚本は「名もなく貧しく美しく」の松山善三。
怪獣は繁栄する社会の警告の象徴。松山さんはガチガチの社会派。
そんな二人は若大将に幸せを用意しているはずがない。
ヒロインは豊かな幸せの若大将より、貧しい勤労青年を選びます。
貧しく美しい方が勝利します。
ゴジラがモスラの幼虫には勝てなかったように、豊かさのシンボル若大将もささやかな幸せには勝てなかった。
若大将シリーズのワンパターンに辟易していたのか当の加山雄三も喜んでふられ役を演じている感じです。
会社もすっかりだまされた？　娯楽の王道でもこんなイレギュラーがあるんですね。まだまだ深いぞゴラク映画。

ＤＭＭでレンタル可能な東宝クレージー映画をこれでコンプリート。
原作つきでちょっとキワモノ的な作品と思って敬遠していたが、
食わず嫌いはダメです。
この作品も傑作。
植木等メインの無責任・日本一の男シリーズ
谷啓メインの怪かいシリーズ
メンバー全員が活躍する作戦シリーズ
のいいところをギュッと詰めたような作品。
ジバコが変装の名人で、偽者が本者のようになり替わったり
獲物の国宝が本物が偽物にすりかわっていたり。
坪島監督の作品には
「一個人の存在や意識など自分が思っている以上に軽い」
というテーマが通底にある気がする。
この作品にもそれがしっかり流れていて、
大林宣彦監督の「転校生」へ続く日本ＳＦカルチャーの原点だとおもう。
それとジバコの変装に翻弄されるハナ肇警部が銭形のとっあんそっくり。
いや、こちらの方が元祖か。
「クレージーの大作戦」と共にルパン三世ファーストシーズンへの影響ははかりしれない。
　見て損のない作品です。
　

ただ単にスケベなだけじゃん。
にしては、支払う代償が大きすぎた。
彼の失敗は平凡な家庭と、名声と仕事、性の快楽、たくさんを欲しがったこと。
早くカミングアウトして、アダルト系ににシフトしておけば……
いや、いずれはアダルト系の仕事をしていたはず。
その過渡期だったのだ。
生きて欲しかった。