お嫁においで

2017年AKB総選挙ではまさかの結婚宣言で恋愛禁止の掟をぶち破られましたが、
こちら若大将のヒーローの鉄則が破られております。
タイトルは皮肉にも「お嫁においで」（笑）
若大将シリーズではありませんが、歌ありヨットあり、
イメージは若大将のままで設定だけがちょっと違う姉妹編です。
当時の東宝の看板・若大将シリーズでは鉄のルールがありまして
1・若大将は永遠の大学四年生（フレッシュマン若大将まで続く）
2・若大将は最後には恋にスポーツに勝利する
1この姉妹編では既に社会人になっている
2（ここネタバレ）ヒロインにふられてしまう
加山雄三主演でしかもお嫁においででプロポーズして断られてしまうんです。
まさかのどんでん返し！　当時の観客はどう思ったかなあ。衝撃です。
刑事もので最後まで犯人がわからないって感じでしょうか。ないかそんなドラマ。
なぜそんな結末になったのか。
監督・脚本がいつものど定番ではないのです。
監督は怪獣映画の本多猪四郎。脚本は「名もなく貧しく美しく」の松山善三。
怪獣は繁栄する社会の警告の象徴。松山さんはガチガチの社会派。
そんな二人は若大将に幸せを用意しているはずがない。
ヒロインは豊かな幸せの若大将より、貧しい勤労青年を選びます。
貧しく美しい方が勝利します。
ゴジラがモスラの幼虫には勝てなかったように、豊かさのシンボル若大将もささやかな幸せには勝てなかった。
若大将シリーズのワンパターンに辟易していたのか当の加山雄三も喜んでふられ役を演じている感じです。
会社もすっかりだまされた？　娯楽の王道でもこんなイレギュラーがあるんですね。まだまだ深いぞゴラク映画。