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Melqartさん

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  • 家族

    2015年 東宝
    鎌倉市に三人で暮らす香田家の姉妹、幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の元に、
    家を出て15年以上経つ父の訃報が届いた。三姉妹とも父の記憶が薄く余り感慨が無かったが、
    葬式に出る為、佳乃と千佳は山形へ赴く。そこで二人は中学生の異母妹 すず(広瀬すず)と出会う。
    異母妹を「四女」に迎えた香田家の新たな共同生活が始まった。


    漫画の映画化らしいが、繊細な描写で監督・脚本・編集を務めた是枝裕和監督の評価が高まり、多くの
    映画祭で幾つも作品賞や女優賞を受賞した。
    優しい家族の物語であり、鎌倉・湘南の静かな海岸を背景にリリシズムあふれる人間模様を綴った作品。
    若干16歳の広瀬すずの凛々しい好演が光る。それを優しく包む三姉妹の暖かな家族愛が麗しく、
    数々の受賞も肯けよう。



    是枝監督は最近カンヌ映画祭で「万引き家族」が大賞パルム・ドールを受賞したが、どうもタイトルが気になる。
    私は映画も本もタイトルが非常に重要だと思うので、もう少し海街ダイアリーの様に繊細なタイトルでも
    良かったのではないかと思う。韓国では「ある家族」に改題され配給されたそうである。

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  • ザ・コア

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    地磁気

    最近のMITの記事によると、ハーバード大等との研究の結果、地球内部には未だ1000兆トン近いダイヤモンドが埋蔵されていることが確認されたそうである。
    地下200kmまで食い込んでいるため、現在の技術では掘削は不可能だが、炭素原子の結晶に過ぎない”ダイヤモンド”は、原子番号79の元素”金”に比べて、マクロ視点で見れば遥かに絶対量の多い石と言わざるを得ないだろう。金はビッグバンでも超新星爆発でもなく殆が超高重力の中性子合体という稀有な天体現象からやっと発生するのである。
    因みに人体の構成に必要な元素は超新星爆発で出揃う。ビッグバンでは水素とヘリウムしか無い為、恒星すら存在しない。 では、恒星は如何にして生まれてくるのか。
    星間雲が集まり、光の入らない極低温状態、次第に絶対零度に近づき、そこで「核融合」を起こし、誕生するのである。  こういうことは意外と知られていない事実だろう。

    この映画では、人工地震実験を何度も繰り返した為に、そのショックで何と地球の中心核(コア)が回転停止してしまうという事態が発生。その影響はどうなるか。

    地球の内部では溶けた鉄とニッケルの塊であるマグマが、地軸を中心にグルグルと猛スピードで流動回転している。
    この溶解金属が摩擦を起こし電流が発生。この大電流が電磁石の役割を果たし、地球は巨大な磁石となっているのである。
    この磁力のお蔭で、地球周囲には”地磁気”という強力な『電磁バリアー』が広域に張り巡らされ、破滅的な太陽風など放射線から地球上を護っているのである。地磁気が無くなるとどうなるかは、映画の説明通り、破滅である。

    この映画は2003年だが、地球内部にダイヤが膨大に眠っているのを発見。興行的には大失敗作だったが、意外に科学考証に優れた映画だったかもしれない。


    人々は、地球上の金属や物資を拾い上げては、資産として拾得し、その数量を競争している。
    しかし、結局それらは”地球の一部”であり、人類の所有物である以前にその総和は地球そのものである。
    人は所有物資を巡って延々争うが、 地球の環境にも自ずと寿命がある。
    近い所では、火星という星があるが、この星は既に内核が完全に冷え切っており、死んだ惑星である。
    「所有」とは、そもそも一体何の事なのであろうか?  恐らくはこういうことだろう。
    地球が エントロピーの法則 で冷えるまでの、 椅子取り遊び なのだと。

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  • 21st Century Schizoid Man

    『クリムゾン・キングの宮殿』(In The Court Of The Crimson King)は、1969年に発表されたキング・クリムゾンのファースト・アルバム。プログレッシブ・ロックというジャンルを確立した記念碑的な作品で、その後のロック史にも多大な影響を与えた。
    --

    プログレ・ロックといえば今では欠かすことの出来ない音楽ジャンルである。
    一体どれ程のアーティストが影響を受けたか計り知れない。

    1曲目は名曲中の名曲「21世紀のスキッツォイド・マン(旧題:21世紀の精神異常者)」
    聞けば分かる通り、”新しい” からこそ ”progressive” 「進歩的」 であり、革新的である。
    いつ聴いても全く古びていないこの”新しさ”は、脳内皮質の何処から呼び起こされるのだろうか?
    歌詞も全く古びていないどころか、彼らは現代21世紀を予言する、60年代と全く変わらぬであろうと。
    真に必要なものは、 その方法では 決して 手に入らない
    60年代カウンターカルチャー世代にとって、欠かせぬ革命的アルバムであったと言えよう。
    80年代にはニューアカで流行語にもなったスキゾ、パラノ。
    『生産』の連鎖から抜け出せないパラノドライブに嵌り込んだ現代文明はエントロピーを激増させ
    ながら何処へ暴走するのか。

    ラストはアルバムタイトル曲、『クリムゾン・キングの宮殿』。
    古代文明における宮殿の荘重さを思わせる重厚な作りである。
    まさに古代儀式に用いられていたと想起させる荘厳なサウンド。
    古代文明において”宮殿建造”とは、まさしく宗教儀礼の伴う神事であった。
    真紅の王の宮殿、それは確かに 存在していた。

    因みにMr.Children【es】のアウトロに、この曲のメインフレーズが使われている。

    収録曲
    01. 21世紀のスキッツォイド・マン
    02. 風に語りて
    03. エピタフ (墓碑銘)
    04. ムーンチャイルド
    05. クリムゾン・キングの宮殿

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  • Death always wins.

    映画のホラー原作者といえば、スティーヴン・キングが有名だが、
    こちらはスティーヴン・キングの大長編小説が原作。英国幻想文学大賞受賞。

    スティーブン・キングの集大成的作品で、「ミザリー」「ザ・スタンド」「IT」「シャイニング」などが1つに集結するという。
    映画は原作を知らなくても楽しめるようになっている。

    荒廃し何もかもが変転していく世界。「最後のガンスリンガー」であるローランド・デスチェインは「ダークタワー」を探す。
    ダークタワーは、全ての異世界を中心で繋ぎ留めていると言われ、〈深紅の王〉の度重なる攻撃で倒壊しかけている。
    黒衣の男ウォルターは塔を破壊する為、『シャイニング』や『キャリー』などで登場した超能力を持つ子供を集め、
    その力を増幅し破壊ビームに利用している。


    強力な魔術を操る黒衣の男とガンスリンガーの戦いが見物。
    何故、黒衣の男はタワーを破壊するのか。この話の世界観では、タワーを中心に諸世界が結び留められており、それを
    破壊することでタワー支配圏外から混沌を侵入させようとしているという。

    膨大な要素が複雑に絡み合っており、著者の本意を察するのは中々難しいが、おそらくこの台詞に集約されるだろう。

    You can’t stop what’s coming. Death always wins.
    『結局のところ――常に勝つのは死だ。』


    生物は”進化”する為に、 死を「選択」したのである。

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  • 作品賞

    放置しようと思ったが、余りにも反響が絶大過ぎる様なので、
    ここで米国アカデミー作品賞の歴史を振り返っておこう。

    ※字数制限の為一部割愛
    1927つばさ
    1928/
    1929西部戦線異状なし
    1930/
    1931グランド・ホテル
    1932/
    1934或る夜の出来事
    1935/
    1936/
    1937/
    1938/
    1939風と共に去りぬ
    1940レベッカ
    1941/
    1942ミニヴァー夫人
    1943カサブランカ
    1944/
    1945/
    1946我等の生涯の最良の年
    1947紳士協定
    1948ハムレット
    1949オール・ザ・キングスメン
    1950/
    1951/
    1952/
    1953地上より永遠に
    1954波止場
    1955/
    1956八十日間世界一周
    1957戦場にかける橋
    1958/
    1959/
    1960/
    1961ウエスト・サイド物語
    1962アラビアのロレンス
    1963/
    1964/
    1965サウンド・オブ・ミュージック
    1966/
    1967/
    1968/
    1969真夜中のカーボーイ
    1970/
    1971フレンチ・コネクション
    1972ゴッドファーザー
    1973/
    1974ゴッドファーザーPARTII
    1975カッコーの巣の上で
    1976ロッキー
    1977/
    1978ディア・ハンター
    1979/
    1980/
    1981炎のランナー
    1982/
    1983/
    1984アマデウス
    1985/
    1986プラトーン
    1987ラストエンペラー
    1988レインマン
    1989/
    1990/
    1991羊たちの沈黙
    1992許されざる者
    1993シンドラーのリスト
    1994フォレスト・ガンプ/一期一会
    1995/
    1996/
    1997タイタニック
    1998/
    1999/
    2000グラディエーター
    2001ビューティフル・マインド
    2002/
    2003ロード・オブ・ザ・リング
    2004ミリオンダラー・ベイビー
    2005/
    2006ディパーテッド
    2007ノーカントリー
    2008/
    2009/
    2010英国王のスピーチ
    2011アーティスト
    2012アルゴ
    2013それでも夜は明ける
    2014バードマン
    2015スポットライト
    2016ムーンライト
    2017シェイプオブウォーター

    誇らしき映画史にこの1頁が追加された訳だが、如何だったろうか?
    是非、皆の忌憚なき意見を訊きたいものである。

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  • 【es】

    【es】~Theme of es~

    Mr.Childrenによる同名ドキュメント映画のテーマ曲となっている。
    この曲だけ何故か映画(見た限り短く簡単なドキュメントだったが)が先行しており当時は他曲と毛色が違っていた。

    エスと言えば、勿論フロイト心理学のあのエスのことであろう。歌詞の中でも当然示唆されている。

    エス: フロイト翻訳全集の英訳の際、エスはラテン語を用いてid(イド)と訳されアメリカ系の精神分析学で流布された。)

    フロイト自身はエスをニーチェを参照したと書いたが、ともあれフロイトは
    人間の精神構造を超自我、自我、エス という3つの分野に分けることにした。
    詳細は専門書に譲るが、要はエスは人間の無意識、欲動であり精神の大部分を占める領域であり、自我や超自我は、ほんの氷山の一角の理性的部分である。
    フロイトの高弟ユングは巨大な無意識を集合的無意識という形で纏めて行ったが、この説は肯定的に受け入れられることは余りない。だが強ち完全否定も出来ない。

    このバンドのタイトルも”Mr.Child”ではなく、Mr.+複数形「Mr.Children」であり、矛盾を抱えた確信犯的である。最早大メジャーだが、成立ち自体がこの-集合的無意識-を意識したバンドといえるだろう。

    最近のアメコミ映画のテレパスではないが、本当に個々の精神が何処かで繋がっているとすれば、その境界も、曖昧化、無意味化していってしまうだろう。

    生物は元々一つのパンスペルミア片だったという説も最近では有力らしい。

    同じくesというタイトルでドイツ映画が「スタンフォード監獄実験」を映画化していたが、個々の役割(社会性)と、”自我”自身というものは、究極的には相容れないと言えば、そうかも知れない。


    ここで自我を極めた釈迦の、仏教三界の世界観も参考に例示しておこう。

    欲界 - 「淫欲」と「食欲」がある衆生が住む世界。
    八大地獄から六欲天までの領域。

    色界 - 「淫欲」と「食欲」の2つの欲を離れた衆生が住む世界。
    欲界の上、無色界の下に位置する。色とは物質であり、色界には、清らかで純粋な物質だけがあるとされる。四禅を修めた者が死後に生まれる世界。

    無色界 - 物質的なものから完全に離れた衆生が住む世界。
    物質が全く存在せず、心の働きだけからなる世界。その最高処を”有頂天”(非想非非想天、非想非非想処)という。

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  • 世界宗教史 1

    本・コミック(通販)

    I am who I am.

    世界宗教史 1  石器時代からエレウシスの密儀まで(上)

    著者 ミルチャ・エリアーデ

     人類にとって宗教的現象とはいったい何か、人類史という壮大なスケールのなかでその展望を企てた本書は、
    20世紀を代表する宗教学者・エリアーデが最晩年に遺した畢生のライフワークである。
    この古今未曽有の偉大な業績は、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教といった個々の宗教の理解を助けるばかりでなく、
    人類が創造した宗教そのものの姿を見事に描きだしている。
     文庫版第1巻は、古人類の宗教的営みから始まり、メソポタミア、古代エジプト、インダス川流域、地中海、
    ヒッタイト、「創世記」までを収める。


    目次

    第一章 時の始めに・・・古人類の呪術―宗教的営み

    第二章 もっとも長い革命 農耕の発見―中・石器時代

    第三章 メソポタミアの宗教
    16 「歴史はシュメールに始まる」
    17 神々のまえの人間
    18 最初の洪水神話
    19 冥界降り――イナンナとドゥムジ
    20 シュメールとアッカドの総合
    21 世界創造
    22 メソポタミア王の神聖性
    23 不死性を探求するギルガメシュ
    24 運命と神々

    第四章 古代エジプトの宗教思想と政治的危機
    25 忘れられない奇跡―「最初の時」
    26 神々の系譜と宇宙創造神話
    27 受肉した神の責任
    28 ファラオの天への上昇
    29 殺害された神オシリス
    30 シンコペーション――混乱、絶望、そして死後の生の「民主化」
    31 「太陽神化」
    32 アク-エン-アテンの改革の挫折
    33 最後の総合――ラーとオシリスの結合

    第五章 巨石・神殿・祭祀センター・・・ヨーロッパ、地中海地域、インダス河流域

    第六章 ヒッタイト人とカナン人の宗教
    43 アナトリアの文化共存とヒッタイト人のシンクレティズム
    44 「姿を消す神」
    45 竜退治
    46 クマルビと王権
    47 神々の世代間の争い
    48 カナン人の神々――ウガリット
    49 バアルの主権掌握と竜征伐
    50 バアルの宮殿
    51 バアルとモートの対決――死と再生
    52 カナンの宗教的ヴィジョン

    第七章 「イスラエルが幼き頃・・・・・・」
    53 「創世記」の最初の二章
    54 失われた楽園 カインとアベル
    55 洪水の前後
    56 族長たちの宗教
    57 アプラハム、「信仰の父」
    58 モーセとエジプト脱出
    59 「わたしはあるという者である」
    60 士師時代の宗教―シンクレティズムの最初の段階

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