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鬼火

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発売日:2009/09/02
製作年:1963
収録時間:108分
出演者:モーリス・ロネ ジャンヌ・モロー ベルナール・ノエル
監督:ルイ・マル
字幕:日本語字幕
音声:モノラル/仏
シリーズ:----
メーカー:アイ・ヴィー・シー
ジャンル:----
品番:n_638ivca18072
平均評価:レビューを見る

自殺を決意した男の最期の48時間を描いたフランスの名匠、ルイ・マル監督作。アルコール中毒で療養中のアランは死に取り憑かれていた。療養所の鏡に記された7月23日の文字。それこそ彼が命を絶つ日だった。‘IVCベストセレクション プライム’。

 

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ユーザーレビュー

平均評価4.4

総評価数5(5件のコメント)

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  •  どうしようもない絶望的ドラマ

    ルイ・マルの作品でいえば「死刑台のエレベーター」のような重く陰鬱な空気が漂う作品。アル中で精神を病んだ男の魂の彷徨を追いかける、クールでミステリアスな映像美と、主演のモーリス・ロネはじめ名脇役達のリアルな存在感あふれる演技が素晴らしい。この男の内面の苦悩がいまひとつ分からないままに、グイグイと引っ張られて最後まで見てしまった。ラストは名刀でスパッと断ち切るような見事な幕切れ。サティのピアノ曲の静かで単調な響きが、いっそう深い絶望感に誘う。

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  •  暗く観念的な映画

    かつて社交界で羽振りをきかし、今はアル中となって、療養所で暮らすアラン。
    彼はすでに死に取り憑かれ、2日後に自殺することを決意していた。
    そして、その2日間、アランは、かつての知人たちを訪れるが、孤独感をつのらせるばかりだった。
    療養所に戻ったアランは、ピストルの引き金を引く。

    このフランス映画「鬼火」は、自殺を決意した男の2日間を描いた秀作だ。
    原作は、ドリュ・ラ・ロシェルの「ゆらめく炎」だが、当時のルイ・マル監督の周辺で、自殺が相次いだことから、企画されたといわれ、ルイ・マル監督の中でも異色と言える。

    死に取り憑かれた主人公の話のため、暗く観念的な映画であるが、その主人公をモーリス・ロネが実にうまく演じており、一種のデカダンスに満ちた主人公役には、まさに適役だ。
    そして、エリック・サティの音楽も効果的だ。

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  •  平凡だけれど

    死を意識した男の目には、すべてが平凡に、退屈に、無意味なものとして映る。人と会って話をしても、道行く人を眺めても、何の発見もなければ驚きもない。完全な日常の一コマであり、誰もがその中で暮らしている。それが生きるということだから死ぬことはないと思うのだが・・・

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  •  雨の朝巴里に死す

    主人公が最後まで読んでいる本は「フィッツジェラルド短篇集」。
    そのフィッツジェラルドの代表的な短篇に「バビロン再訪」があり、
    「雨の朝巴里に死す」という邦題で映画化された。
    S・フィッツジェラルドといえば光り輝いた青春の季節がその陰りを見せて、
    いつのまにか老いた自分を知り自我のバランスを失って崩壊していく様を描き、
    その作家自身も破滅していった代表的なロストジェネレーションの小説家。
    この主人公も同様でフィッツジェラルドのように酒浸りになり、
    精神を病んだ30代のそろそろ中年に足を踏み入れようとしている男。
    これをモーリス・ロネが鋭い眼光の奥に鬼火を灯らせて、
    全身に虚無的な色気を発し妖気を漂わせて秀逸。
    死に場所を求めて巴里の街路を彷徨う姿は、
    既にこの世の住人ではなく冥界に心を預けてしまっている。
    エリック・サティの音楽も効果的。

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  •  サティのピアノ

     世の中はとかく生きづらいです。
     白黒で厳しい男の生き方が描かれていきます。
     
     
     
     

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