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生きものの記録

生きものの記録
貸出開始日: 2004/04/09 旧作
製作年: 1955年
製作国: 日本
収録時間: 103分
出演者: 三船敏郎 志村喬 青山京子 千石規子 東郷晴子 三好栄子 清水将夫 佐田豊 千秋実
監督: 黒澤明
制作: ----
脚本: 橋本忍 黒澤明 小国英雄
原作: ----
詳細: ----
字幕: ----
音声: モノラル
シリーズ: ----
メーカー: 東宝
ジャンル: ドラマ 黒澤作品 シリアス ヒューマンドラマ
品番: n_620tdv2797r
平均評価:レビューを見る

町工場を経営する財産家・中島喜一は原水爆に異様な関心を示すようになり、恐怖に怯えるようになる。その強い恐怖感から、思いつめた喜一は全財産を処分して親類縁者全員をブラジルへの移住を計画する。しかし、反対する家族の者たちは裁判所に彼を準禁治産者とする申請を申し立てる。やがて、申請は承認されるが、そのショックと疲労などで中島は狂乱の行動に出てしまう…。

 
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種類
DVD
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ユーザーレビュー

平均評価4

総評価数7(7件のコメント)

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  • 1
  •  三船敏郎の老け演技に驚嘆の反核映画。

    “世界のミフネ”は、真面目な役だと面白くもなんともなく、喜劇的演技にのみ才能を感じる俳優だが、例外は「赤ひげ」とこの作品。登場してもしばらくは彼と気付かないほど老人キャラを熱演。ただ、いささかエキセントリックに過ぎ、おかしいのは彼ではなく、核の恐怖を自覚しない我々だというメッセージに、説得力を持たせるには至らなかった。

    狂志郎さん-DVD/CDレンタル

    1人が参考になったと投票しています。

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  •  ネタバレ黒澤明監督が原水爆反対の立場を表明した映画

    ※このレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
    この映画「生きものの記録」は、黒澤明監督が原水爆反対の立場を表明した映画ですが、興業的には失敗したと言われています。

    黒澤監督の数少ない興業的な失敗作だと言われているこの作品を、自分の眼で確かめるために鑑賞しましたが、黒澤監督のこの映画に賭ける熱意、訴えずにはいられない強いメッセージ性がストレートに伝わってきて、何故ヒットしなかったのかが不思議なくらいの素晴らしい映画だと思います。

    主人公は若き三船敏郎が演じる町工場の経営者・中島喜一。
    この老人は実にエネルギッシュで、前半のイメージは、大家族を率いたゴリラかオランウータンというような感じで、三船の獣のような動物的な野性味に溢れています。

    そして、この老人は原水爆の実験に脅威を感じ、この地球上で安全な場所は南米にしかないと考えるに至り、”核実験の死の灰”から逃れるために、彼は一族全員を連れてブラジルへ移住しようとするのです。

    このことを知って慌てた家族の者たちが、父親を準禁治産者にする訴えを起こします。
    財産を自由に処分出来ない準禁治産者に認定してもらうためなのです。

    準禁治産者の仮処分を受け、ブラジルへ行けなくなったこの父親は、一族を率いるボス猿の感じから一気に弱々しい、老いた人間の姿になってしまい、急に不安がつのって発狂し、工場に放火してしまうのです--------。

    この映画は、そんな彼の、というより、全ての人間が持つ、”核の恐怖”を見事に視覚化してみせます。
    夏の寝苦しい夜、蚊帳の中で眠る彼の顔は、あたかも被爆後の瀕死の人間のようです。
    心労から頬のこけた顔が、蚊帳にオーバーラップして、ケロイドで苦しむ顔に見えてくるのです。

    映像による大胆な”誇張的表現”ですが、これが素晴らしい説得力を持って私の胸に迫ってきます。

    誇張で真実を抉り出す、”風刺画家・黒澤明”の面目躍如たる、素晴らしい作品だと思います。

    主演の三船敏郎が老けのメイクで、”核への恐怖”から、一気に狂気へと至る人間像を熱演していて、さすがに三船、実にうまいと唸らされます。

    また、黒澤監督との名コンビで知られた音楽の早坂文雄は、この主人公の”心の不安や焦燥”を映し出す主要な楽曲を残した後、作品の完成を見ることなく逝去されました。

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    シネマの風さん-DVD・Blu-ray(通販)

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  •  非常に真面目な映画

    エキセントリックな人間を描き、それに常識的な人間を対比させ、その葛藤から深い問題にアプローチしていく手法は、たとえば山田太一の「早春スケッチブック」を想起させる。黒澤作品の中ではやや異質で、「赤ひげ」のような深刻で哲学的な内容をもつ。面白い映画ではないが胸を打たれる佳品。

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  •  キャラクタ造形

    主人公のキャラクタ造形が秀逸と思います。
    主人公は清濁併せ飲む感じの器量人ですが、
    身内から準禁治産者の申し立て手をされ、
    強く責められても、なお気遣いや優しさを滲ませます。
    この監督さんはやるなぁと思っちゃいました。
    それにしても戦後10年の公開映画のようでが、
    街並みの復興ぶりには驚きました。

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  •  不安

    大きな鉄工所を裸一貫で興した中島は、原水爆への恐怖心から家族に猛反対されながらもサンパウロへの移住を計画する。家族はそれを阻止しようと中島を準禁治産者にしてしまう。

    中島の茫漠たる不安は被害妄想と言い切れるのだろうか。確かに常識的に考えれば、まず落ちることはないだろう。
    しかしその所謂常識の内容である、今まで繰り返し継続した生活の中での知識や歴史から得た経験則は、どの程度の確度で過去の事実から未来を把握し得るのか。
    例えば、広島長崎に原爆が落ちることは、落とす当事者以外は誰にも予想できなかった。
    歴史上前例がないとしても、その時点の地政学的リスクは以前より増大しているかもしれないし、原爆が落ちないという保証も何処にもない。
    不安と常識は相反する。
    危機を事前に察知し回避するためには、現状認識のアンテナをよく張り巡らせ、十分に対処するしかない。平和と安全はタダではないのだから。

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  •  ビキニの水爆

    水素爆弾はあのビキニスタイルの水着を残し、東宝映画はこの作品とゴジラを残しました。
    《批評より》 珍しい老け役の三船敏郎の演技も観る価値有り。
     

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  •  三船さん?

    「三船さんが出ているんだなー」と思って借りて観たのですが、観終わったときに「あれ、三船さんって出てたのかな」と一瞬考えてしまいました。

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