気狂いピエロ

アルファベットは A から始まり Z で終わる。　映画バードマンに引用されたオープニング。


”彼は悲しい世界に生きた　堕落した国王 病気の子供達　宮廷に集められた　や小人たち
派手な衣装を着せられた道化師　彼らは宮廷の慰み者で　不道徳な人々を笑わせていた
儀礼や陰謀や虚言に締め付けられ懺悔や良心の呵責　破門や火刑そして沈黙に縛られていた
ノスタルジーが漂う　醜さも悲しみもない　惨めな子供時代の残酷さもない
ベラスケスは夜の画家であり　広がりと沈黙の画家である　真昼に描こうが密室で描こうが
たとえ戦争や狩りの只中だろうと　スペインの画家は日中外に出ないので　自然に夜と結びついたのだ”

オリンピオの悲しみ

米軍は大勢犠牲者を出しています　ベトコンも１１５名が戦死
”その他大勢”って悲しいわ　”ベトコン１１５名”じゃ何も分からないわ
それぞれに人生があったはずなのに　　妻や子供がいたのか
お芝居より映画が好きか何も分からない１１５人死んだってだけ
写真もそうよ　いつも思うの男の写真にキャプションが付いてる
”臆病者”　”いい奴”とか　でも撮った瞬間に何を考えていたかは分からない
妻のこと　愛人のこと　過去　未来　バスケの試合　誰にも分からない
人生が物語と違うのは悲しいわ　同じだといいのに
明解で論理的で整っていてほしい　でも違うわ
いや　意外に違わないものさ　
違うわ　ピエロ
俺はフェルディナンだ

今後は生活ではなく人生を書く　人生そのものを　人と人の間に存在するものや空間　音や色を書く
そこへ到達すべきだ　ジョイスが試みたが　それをもっと完成させねば

もううんざり　海も　太陽も　砂浜も　缶詰もよ
ジュール・ヴェルヌは終わりよ　最初の犯罪小説に戻るの　車と拳銃とナイトクラブの世界に
”勇気とは家に自然のそばに留まることだ”
”観光客は現代の奴隷”
人類は二重人間の時代に到達した　もう鏡はいらない一人で話せる

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楽園はやがて飽きる。
「軽蔑」と同じ終わり方。